部会長挨拶

 「新しいぶどう酒は古い皮袋にいれない」はマタイ伝にある言葉です。

COVID-19によるパンデミックは、協力や助け合いを至上とする社会への大きな試練となり、人の移動の制限は学問の自由さに影を落としていくかもしれません。

 

本研究部会はすべての分野でトランスポーター研究を行っている「若手」に発表する機会を設けることが目的です。研究活動は人の本質である「思考」から湧き出るもので、年齢も性別も国籍も関係ありません。そして「異分野の交流」も本研究部会のもう一つの目的です。今回も歴史ある第51回日本消化吸収学会(清水京子学会長)と合同開催となります。ご自身の未知の世界も探検してください。この思考力と好奇心の両翼を得て、先人たちの積み重なったレガシーの「巨人」の肩の乗り、新たな学問の世界が見えるのだと考えます。

 

この話を残したニュートンの三大業績はペストの再流行による大学封鎖で生み出されました。忌まわしい感染症は繰り返し流行して膨大な犠牲を人類に強いました。同時に社会の中心であった教会の無力・虚構を露わにし、ルネサンスが生まれました。まさに感染症こそが古い価値観を崩壊させ、ニュートンにつながる近代科学を成立させたとも言えるのです。

 

新しい時代を担う皆様が不条理な運命に抗い、自由で活潑な意見を交わすことを望みます。

 

部会長 山田秀臣